滑走路にキツネ、電車遅延、空港で40分待ち。それでも無事に帰れた理由は○○
歩行に不安がある50代会社員が、現場で考えていたこと
歩行に不安があると、旅は「行けるかどうか」で考えがちになる。
でも、何度か旅をして気づいた。
本当に大事なのは「行けるかどうか」じゃなく、「帰ってこられる余力を残せるか」だ。
目的地に着いた時点で体力を使い切っていたら、その旅は失敗に近い。
家の玄関まで戻って、ようやく旅は終わる。
今回、帯広に1泊2日で行ってきた。
豚丼の「ぱんちょう」と、御翔印。
目的にしていたものは、ちゃんと達成できた。
途中、滑走路にキツネが出て着陸やり直しになった。
帯広空港ではカウンターが開かず40分待ちになった。
品川駅では電車が15分遅延して、立って待つことになった。
それでも、大きく崩れずに家まで帰ってこられた。
完璧な旅ではなかった。間違えた判断もいくつかあった。
でも、事前に「優先順位」を決めていたから、崩れても立て直せた。
今回の旅で考えていたこと、判断したこと、間違えたことを、時系列で残しておきたい。
同じように歩行に不安がある人が読んで、自分の旅の組み方の参考になれば嬉しい。
出発前:当日の朝にToDoを残してはいけない
家を出る直前、Substackの記事をSNSで訴求していた。
家からバス停までは徒歩約8分。
サファイア修行のときに何度も歩いた道なので、距離感は完全に想定内。
問題は距離じゃなかった。
問題は、出発時刻ギリギリまで作業を詰め込んだことだった。
徒歩8分そのものより、「あとSNS投稿だけ済ませて」という頭で家を出たことの方が負担になった。
気持ちのモードが旅に切り替わっていない。
作業の続きを引きずったままバス停に向かっていた。
判断ルール①:当日の朝、ToDoをゼロにしておく。 歩行に不安があると、身体だけじゃなく頭の状態も移動の負担になる。バタついた頭で歩くと、信号や段差の判断にワンテンポ遅れる。SNS訴求は前日のうちに予約投稿しておけば、朝はただ家を出るだけにできる。
ついでに、家を出る前に有線マイクと文字起こしのテストもした。
旅中のメモを音声で残せると楽になる。
ただし、駅や空港のように騒がしい場所では精度が落ちる。
静かな場所はスマホ本体マイク、騒がしい場所は有線マイク、と使い分けるのが現実的だと分かった。飛行機内は騒音と周囲の目があるので、音声メモではなく手入力にした。
羽田まで:時間に余裕があるなら、整える時間に使う
市内循環バスで駅へ。
駅の売店で軽く朝食を買い、品川経由で羽田へ向かった。
品川から羽田に移動している途中、ふと気づいた。
通信キャリアのpovoを持っているのだから、必要なタイミングでデータ使い放題を選べば、旅中の通信量を気にしなくていい。そう思って契約をしておたことをすっかり忘れていた。
地図、SNS投稿、ChatGPT、写真確認。旅では通信量が一気に増える。
事前にこの不安を消しておきたいところ。
羽田には9時30分ごろ着く予定。帯広行きフライトは13時50分。かなり余裕がある。
まずはスタバで休憩しながら、通信量・バッテリー・SNS訴求・搭乗までの流れを整理した。(スタバなうをしたのがこのタイミング)
空港に早く着いた時間は、急いで何かをするためじゃなく、整える時間として使える。
ちなみに最初は搭乗ゲートが9番表示だったのが、その後18番に変わった。
空港では、朝に見た情報や最初に決めた情報ではなく、今のJALアプリや出発案内板を優先する。
これも何度かやらかして覚えたルール。
羽田の昼食:「一番おいしい店」より「無理なく行ける店」
スタバで店内のざわつきの中でも文字起こしができるかをテストして、短いメモなら問題なさそうなことを確認した。
その後、昼食の店を探した。
北ウィング端の奥まったエリアに食事処が何軒かあったので、そちらをリサーチ。
選んだのは 「乱切り蕎麦と天丼 一の井」。
選んだ理由は単純で、今いるスタバが中央エリア。
食後にスペシャルアシスタンスカウンターへ向かうので、北ウィング側に居たいから。
判断ルール②:空港では「一番おいしい店」より「無理なく行けて戻りやすい店」を選ぶ。 健常者なら「せっかくだから一番評判のいい店へ」が成立する。歩行に不安があると、移動で消耗した体力は食事では戻らない。店の評価より動線で選ぶ。
一の井は結構な穴場かもしれない。
端の方にあるので、満席で入れないほど混む雰囲気ではなかった。
少し奥まった場所にある店の方が、空港内では落ち着いて座れることがある。
個人的にはスペシャルアシスタンスカウンターが近いのも大きい。
北ウイング側を使うときに、サポートをお願いする前後の休憩や食事の場所として重宝する。
この後の予定がかなり確定していたので、ハイボールを一杯。二杯目はレモンサワー。
予定が決まっている安心感はあるが、飛行機ではトイレに行けない時間もある。
二杯目までは旅の楽しみ。三杯目からは不安材料。
これも自分への申し送り事項。
機内:座席は通路側・トイレ近く、優先搭乗は早く乗るためじゃない
行きの座席は、最初から一番後ろのトイレに近い位置にしていた。
機内に入ってから座席まで歩く距離は長くなる。
でも、飛行中にトイレへ行きたくなった場合、トイレが遠い方が大変になる。
搭乗時の移動距離より、飛行中の安心を優先した。
座席は基本的に通路側を選ぶ。
窓側や真ん中だと、隣の人に声をかけて通してもらう必要がある。
それだけで気を使うし、焦りにもつながる。
飛行機では景色より、自分のタイミングで動ける通路側だ。
帰りの座席は、トイレに近い側が空いていたので、そちらに移動した。
帰りは疲れている可能性があるので、トイレに近い位置にしておくのは大事だと思った。
判断ルール③:座席は通路側・トイレに近い位置。窓側の景色より、自分のタイミングで立てる自由を優先する。
昼食後はスペシャルアシスタンスカウンターへ。
車椅子を利用して搭乗口前まで移動した。
優先搭乗で、一番最初に飛行機へ搭乗した。
歩くことに不安がある場合、優先搭乗は単なる「早く乗れるサービス」ではなく、機内での移動負担を減らすための準備。
通路が混む前に座席にたどり着けるし、焦らず荷物や座席まわりを整えられる。
早く乗るのが目的じゃない。
混雑前に座るのが目的。
着陸やり直し:旅の予定はキツネ一匹で変わる
着陸直前、滑走路にキツネがいたため、着陸をやり直すことになった。
滑走路に動物がいると、安全のためにそのまま着陸できない。
予定通りに着くと思っていても、旅ではこういう予想外のことが起きる。
このとき思ったのは、到着後の移動手段の選び方だった。
ほとんどの場合、空港から主要駅までのシャトルバスでは、到着便の遅延に合わせて出発を遅らせてくれることが多い。
だから着陸が遅れても、結果的に乗れた。
これがローカルの路線バスやJRの定時運行電車だったら、待ってくれない。
乗り遅れたら次の便まで待つことになる。
判断ルール④:到着後の移動手段は、「遅れても拾える」選択肢を選ぶ。 空港バスは、到着便の遅延に合わせて出発を遅らせてくれることが多い。逆に、空港から出るローカル路線バスや、定時運行のJRなどは待ってくれない。空港バスを使えるなら使う。使えない場合は、遅延しても次の便で拾えるルートを選ぶ。
帯広空港でも車椅子をお願いしておいた。
到着直後は荷物もあるし、機内で座っていた後で身体も固まりやすい。
空港内をバス停まで自力で歩かなくていいのは、想像以上に楽。
帯広到着:「見えたら先に行く」
帯広空港からホテル前まで行けるバスを選んでおいた。
これは正解だった。
バスの車窓から見える道は、北海道らしくまっすぐで長い。
左右に広い土地が続き、遠くには山並みも見える。
旅に来たな、と感じる景色だった。
宿はアパホテル帯広。バス停を降りて、目の前のセイコーマートまで歩いた。
そこで店の方向を見たら、「ぱんちょう」の看板が見えた。
時間を見て、すぐに判断した。
ホテルで休んでから行くと、間に合わない可能性がある。
ぱんちょうは夜遅くまで営業している店ではない。
今回の第一候補だ。体力と時間があるうちに、先に行く。
判断ルール⑤:第一候補の看板が視界に入ったら、休む前に行く。 旅先では「近いから後でも行ける」と思うと、疲れや時間で行けなくなることがある。「見えた」「動ける」「営業時間内」が揃った瞬間に動く。
詰め込まない判断:身体が動けても、お腹は別
ぱんちょうを出たあと、ホテルに荷物を置いてからインデアンカレーに行くか少し迷った。
翌朝はアパホテル前のバス停から空港へ直行なので、朝の移動負担は小さい。
体力的にはまだ動けそうだった。
でも、お腹がいっぱいだった。
なので、インデアンカレーは無理に行かないことにした。
代わりに、アパホテルの目の前にあるセコマで明日の朝ごはんを購入し、ホテルに入った。
判断ルール⑥:身体は大丈夫でも、お腹が一杯ならそこで止める。「まだ動ける」と「これ以上詰め込まない」は別の判断軸。
この判断が、翌日の電車遅延で効いてくることになる。
翌朝:「早く着けば安心」は間違いだった
7時05分、アパホテル帯広前から帯広空港行きのバスに乗った。
朝ごはんは前夜セコマで買っておいたパン。
前日のうちに朝食を確保しておくと、朝から店を探したり、
コンビニに寄るか迷ったりしなくて済む。
ホテル前から空港行きのバスに乗れるので、朝の移動負担もかなり少ない。
帯広空港に無事到着。
ところが、カウンターが8時45分からしか開かないことを事前に調べていなかったため、空港で40分近く待つことになった。
ひとつ後の8時17分のバスにしていれば、ちょうどいい時間に着いていた。
これは次回への反省点。早く着けば安心、とは限らない。
空港では、カウンターや売店が何時から開くのかも確認しておく必要がある。
判断ルール⑦:地方空港は「何時間前から手続き可能か」じゃなく「何時にカウンターが開くか」を確認する。
その後、帯広空港でクラスJへ当日アップグレード。席は一番前。
普通席よりもゆったり座れて、帰りの飛行機で身体を休めやすそうだ。
旅の帰りは疲れが出やすいので、空席があって無理のない金額なら、当日アップグレードも体力温存の選択肢になる。
今回の目的のひとつだった帯広空港の御翔印もゲット。羽田へ向かった。
羽田帰着:降りた後のサポートまでお願いする
羽田到着。ここから車椅子で京急羽田空港駅まで移動。
飛行機に乗る前だけでなく、降りた後の移動までサポートをお願いしておくと、旅の終盤がかなり楽になる。自力で空港内を長く歩かなくて済む分、到着後の体力消耗を大きく減らせる。
昼ごはんは関谷スパゲティに決めていた。
理由は単純で、京急からJRに乗り換えて、高崎線のグリーン車に乗るためのエレベーターへ向かう途中にあるからだ。
遠回りして店を探すのではなく、帰りの動線上で昼食を済ませる。
羽田空港駅から京急に乗ったときは、優先席に座れた。問題は、その先の品川駅での乗り換えのときだった。
立ち待ち15分:見込みが崩れると一気にきつい
品川駅で京急からJRに乗り換え、ホームで電車を待った。
ホームに降りた時点で、それが一番早い電車だった。
近くに座れる椅子もあったが、そこで座って待つと、電車が来たときに出遅れて車内で座れない可能性があった。
電車内で立ち続ける方が、ホームで立つよりつらい。なので、ホームで立って待つ方を選んだ。
ここまでの判断は正しかった。
問題は、「10分なら立てる」と見積もったあとに、トラブルで15分遅れるという案内が入ったことだった。10分のつもりで構えていた身体に、いきなり15分追加される。
判断ルール⑧:「立って待つ」を選ぶときは、表示時刻の2倍のバッファを取る。 10分なら立てる、と思ったら、20分立っていられる場所と方法を確保しておく。20分立てるなら10分は楽勝。10分ちょうどで見積もると、5分の遅延に耐えられない。
結果的に車内では座れた。このとき、改めて思った。
昨日の夜にインデアンカレーへ行かなくて本当によかった。
身体はまだ動けそうでも、旅先で予定を詰め込むと、翌日の予想外の待ち時間や遅延に響く。
「車内トイレは保険、前提にしない」という判断
ちなみに、その品川駅では電車に乗る前にトイレに行っていた。
乗り換え場所に着いたら、必ず一度トイレに行く。これも自分のルールにしている。
過去に一度、高崎線のグリーン車のトイレで済ませるつもりだったのに、車内トイレが故障していて使えず、大変だったことがある。
だから、グリーン車にトイレがあるから大丈夫、とは考えない。
車内トイレは保険であって、前提にしない。
今日も一本遅らせてトイレに行った。
一本早く乗るより、車内で不安を抱えないことを優先した。
判断ルール⑨:乗り換え駅では必ずトイレに行く。車内トイレは「あるかもしれない保険」と考え、当てにしない。
最後はタクシー:旅の終わりは安さより無事に帰ること
最寄り駅から家まで。
地元のコミュニティバスなら45分後の便に乗れそうだった。
でも、バス停から家まで歩くのがつらい。
今日は品川駅での立ち待ちや電車遅延もあり、腰に負担が出ている。
ここで無理してバスに乗るより、最後はタクシーで家まで帰ることにした。
判断ルール⑩:旅の最後は、安さよりも「家まで無事に帰る」ことを優先する。
無事に帰宅。
振り返り:「行けるかどうか」ではなく「帰ってこられる余力を残せるか」
羽田から帯広、ホテル、ぱんちょう、セコマで朝食確保、翌朝の空港バス、御翔印、クラスJアップグレード、羽田帰着、品川で一本遅らせて、高崎線グリーン車、最後は最寄り駅からタクシー。
途中で着陸やり直しや電車遅延もあったけれど、事前に移動手段・座席・サポート・食事の優先順位を決めていたので、大きく崩れずに帰ってこられた。
今回の一番大きい教訓は、これだ。
「行けるかどうか」ではなく、「帰ってこられる余力を残せるか」で旅を組む。
旅は、目的地に着いたら終わりではない。 家の玄関まで戻って、ようやく終わり。
そして、無事に家まで戻れるかどうかは、移動距離や体力の問題ではなく、判断の優先順位を事前に決めているかどうかで決まる。
今回見つけたいくつかのルールが、次の自分の旅を少し楽にしてくれるはずだ。


